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伊勢神宮、置賜神社、夫婦岩を背景に佇む老舗旅館二見。 江戸時代は江村（えむら）と呼ばれ、1643年には114戸524人が集落にあった。 天保元年（1830）には104戸があり、高級松材を生産していました。 二見浦や夫婦岩への参詣や置賜神社への参詣者が増えるにつれ、この地域には茶屋や宿屋が栄え、江村の茶屋や宿屋があった地域が茶屋と呼ばれるようになったそうです。 二見浦の海水浴場には、日本初の海水浴場との案内板がありました。 日本初であろうとなかろうと、二見浦は古くから巡礼者や神社の神職、住民が海水浴をして心身を清める「禊場」でした。 明治時代になると、海水浴が健康によいことが知られ、立石浜は冷水浴場に指定されました。 また、隣接地には温泉浴場が建てられ、入浴者が増えるにつれ、松林が開かれ、多くの旅館が建てられました。 明治37年（1904）に海水浴場に指定され、観光地二見の礎となりました。 二見浦海岸の松林沿いにある『天の館』。 1893年創業の浅野館は、創業当時の面影を残す純木造3階建てと2階建てを組み合わせた大型旅館です。 元の建物はそのまま残っています。 現代に合わせて改装されていますが、古き良き日本家屋の特徴を残しています。 旅館の構造はとても複雑で、一晩滞在しただけでは建物の構造が理解できません。 増築を重ねた結果というわけではありませんが、創業当時からこの建物の構造が続いているようです。 建物内部の意匠や装飾は凝ったものが多く、職人の遊び心がよく表現されていました。 一番驚いたのは、階段の踊り場に一枚のケヤキがさりげなく敷かれていること。 旅館の正面玄関は、もともと現在の玄関より左側の切妻のある玄関でしたが、小・中学生の団体が増えたため、入店対応ができなくなったため、玄関を改築しました。右側に移動し、土間。 框が拡幅され、現在の玄関となっています。 旅館の客室は、個人客用と団体客用に大別されます。 大広間をはじめ、部屋の間仕切りを出し入れして団体客も利用できるようです。 玄関を入ると、ひな人形の段飾りがお出迎え。 案内された部屋は海岸沿いの二階、八畳の控え室。 オーナーがガイド、女将がエントランスロビーを担当。 食事は1階の離れの和室で提供されました。 夕食後、宿内を散策しましたが、冬のせいか、かつて賑わっていた小中学生の群れもなく、宿屋街は静寂に包まれていました。 (2016.2.8宿泊)

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